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営業への工学的アプローチ

会社の基本は、商材(モノかサービス)を用意し、買い手をみつけ、それを買ってもらうことである。なお、商材の組み立ては、また別途議論することにして、本稿ではいかに買い手をみつけ、契約に至らせるかについて考えたい。

 

営業は、例えば以下のようなフェーズに分解できるだろう。いわゆる「営業パイプライン」である。

 

1.客を見つける「フッキング」
2.提案を出せる段階にまで持っていく「ナーチャリング1」
3.見積もりを出せる段階まで持っていく「ナーチャリング2」
4.契約まで持っていく「クロージング」

 

この後に、既存顧客との関係を深めて別商材を売る「深掘り」というフェースもあるが、「深掘り」の中に上記の4フェーズが組み込まれていると考えることとし、あえてフェーズ数は増やさない。商材によっては1と2,または2と3が同じ場合もあるだろうが、基本原則は変わらないと考えていいだろう。

 

一番やっかいなのは、1の「フッキング」で、多くのやり方があるだろう。スタイルとして、トップ営業、リスト営業、飛び込み営業、インバウンドマーケティングなどがあり、そのツールも様々である。リスト営業ひとつとっても、飛び込み営業よろしく強引にテレアポを行うようなやり方もあれば、リストから既存顧客や社員のコネ経由で紹介してもらう、比較的堅実な方法もある。いずれにせよ、フッキングだけでも設計は簡単ではないということだ。

 

2,3,4の各フェーズでは、王道とでもいうべきやるべきパターンを、客の購入意欲の段階を見極めながら、つくっていくことだ。そして、営業担当者が日々そのパターンをこなしているかどうか、確認していくことが営業管理責任者である営業部長の仕事になる。もちろん、CRMやSFAを使って極限までシステム化するのは当然のことだろう。

 

最初は、とにかまず設計してそれに従って動いてみる(デザイン思考)。そして、その設計は「結果」を見て、修正を随時加えていかなくてはならない。

 

重要なのは、営業パイプラインのフェーズを遷移していく率と、営業行為寄与分とみされる分の利益が、営業全体にかかる経費や人件費などのコストを上回ることだ。つまり、営業パイプラインに投入できるリソースには限界があるので、そこから最大のリターンを得られると思われる営業パイプラインを、商材ごとマーケットごとに設計していかなくてはいけないのである。

 

限りある営業資源(人や時間やお金など)を最大限に活かすためには、営業の手間減らすための基準を設けることが大事だろう。つまり、コントロールできないことにリソースは使わないということで、具体的には取れそうにない案件は追いかけないというようなことだ。たとえば、コンペになったらそこで営業活動をやめるというような基準があっても良いのである。ただ、このような基準が有効に機能するためには、フック済みの「引き合い案件」を常にストックしておく仕組みが必要となる。引き合い以上の受注がありえないことは、自明なのだから。

 

営業パイプライン設計で重要なのは、母数となるフック済み引き合い案件数を常に確保することと、フェーズごとの遷移率を上げていくことだろう。そして、フェーズ遷移の率を上げる理由を見極めて鉄板パターンを試行錯誤で作り込み、その鉄板パターンを営業担当者がちゃんとこなしているか確認することが「営業」なのである。

 

このような合理的な営業パイプラインの上でこそ、精神論やエモーショナルな要素が重要になるのだと考える。

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